AV-454 CD/日本近代文学館 講演CD集〜今解き明かされる文豪たちの謎

26,400 円(税込)

近代文学の歴史を支えた文豪たちのエッセンスを、著名な小説家・評論家が講師とした語った「日本近代文学館」主催の貴重な講演集。
今こそ語り明かされる文学秘話や文豪の内面が目白押し。読むだけではわからなかった文学の深淵に触れることができる。
特別版CDには、貴重な文豪自らの肉声を収録。



【1】森鴎外「医学と文学」
 (講演:加賀乙彦/収録時間:53分45秒)
文学とは別に、医師という顔を持つ森鴎外。ドイツへ医学留学し、帰国後は出世街道を進んでいった鴎外だが、その裏には理想との隔たりから来る、悲哀があった…。



【2】樋口一葉「たけくらべ」「にごりえ」
(講演:竹西寛子/収録時間:57分19秒)
樋口一葉、二十四年の人生は決して短くない。文学史上に残る傑作「たけくらべ」、「にごりえ」を世に残した所似が、その充実した人生の中にある。



【3】夏目漱石「こころ」以後
(講演:江藤淳/収録時間:54分55秒)
不朽の名作「こころ」発表後、漱石に起きたある心境の変化。今は亡き、漱石研究の第一人者、江藤淳が紐解く、夏目漱石晩年の謎。



【4】島崎藤村「魂の漂泊者」
(講演:三好行雄/収録時間:40分17秒)
妻や子供に先立たれた後の、姪との許されない関係。そして、フランスへの逃避行。帰国後に藤村はその名の通り、『新生』という小説で再起をはかるが…。漂泊者・藤村の行き着く先は…?




【5】永井荷風「ボク東綺譚」
(講演:杉本苑子/収録時間:51分42秒)
永井荷風の名作「ボク東綺譚」の最終章はいらない?日本が戦争へ向かう不穏な情勢の中、そうした空気を振り払うかのように発表された珠玉の名作「ボク東綺譚」の魅力に迫る。



【6】有島武郎「その理想主義と、ヒューマニズム」
(講演:中野孝次/収録時間:40分57秒)
有島武郎の代表作「或る女」の主人公・葉子。彼女を、好きか、嫌いか。それが有島文学の試金石である。「葉子が好きではない」作家・中野孝次が語る、有島武郎の人生と文学。



【7】志賀直哉「文学とユーモア」
(講演:阿川弘之/収録時間:52分15秒)
秀吉が好きな酒は、「リキュール」。好きな野菜は、「セロリ新左衛門」。"小説の神様"の知られざるユーモラスな一面を、愛弟子・阿川弘之が語る。




【8】谷崎潤一郎「そのマゾヒズムの変化〜「痴人の愛」から「卍」へ
(講演:河野多恵子/収録時間:53分33秒)
谷崎文学の特色であるマゾヒズムが、「痴人の愛」で変化を見せた。昭和に入って黄金期を迎える谷崎にとって、この変化は大きな意味があった。谷崎を愛してやまない作家・河野多恵子の卓抜なる谷崎論。




【9】芥川龍之介「龍之介の出発〜「羅生門」「鼻」を中心に
(講演:小川国夫/収録時間:54分53秒)
芥川の初期代表作「羅生門」「鼻」は古典説明がその基となっている。オリジナルと比較すると、芥川の独特の料理法が見えてくるが、実はそれが芥川晩年を探るカギでもあった…。



【10】川端康成「雪国」まで
(講演:進藤純孝、収録時間:58分29秒)
「伊豆の踊り子」はたった二十部しか売れなかった。川端文学の最高峰「伊豆の踊り子」「雪国」――その間の十年は川端にとって不遇の年月だった。ノーベル文学賞に輝く大作家の隠された日々。



【11】太宰治「ピカレスク 太宰治伝」
(講演:猪瀬直樹/収録時間:51分59秒)
太宰治の人生は最初から最後まで波乱に満ちたものだった。数々の自殺行為、裏切り、失望――「作家」として激しく生きようとした太宰の生き様を猪瀬直樹が暴く。



【12】三島由紀夫「文学という、毒」
(講演:佐伯彰一/収録時間:49分45秒)
東大→大蔵省とエリート街道を進んだ三島が、それを棄ててまで固執した文学という毒の実態は?三島文学のルーツを探る。



【特典盤CD】「文豪、かく語りき〜『肉声の記録から』」
(収録時間:約60分)
永井荷風、志賀直哉、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫が、NHKラジオ番組出演時に語った、大変に貴重な文豪自身の「肉声」音源を収録。文豪自らが語る「謎」とは。



■仕様/CD12枚組+特別盤1枚
■別冊解説書付(B5判、80P)
■発行 NHKサービスセンター/株式会社エニー
■企画・制作/日本音声保存