AV-437 CD/藤沢周平 傑作選

28,600 円(税込)

江戸の情景や人々の日常が目の前に活き活きと浮かび上がる、藤沢周平の傑作を、倍賞千恵子、すまけい、奈良岡朋子、柳家小三治などの豪華キャストによる朗読でおくる。
映画化された「たそがれ清兵衛」や「祝い人助八」などの名作が収録された聴く傑作選。


■『泣かない女』『雪明り』 朗読:篠田三郎
(CD2枚組/収録時間:約84分)
かざり職人・道蔵は親方の娘、お柳に言いよられ、いったんは妻を捨てる決心をするのだが…。夫婦に訪れた危機と再生を描く『泣かない女』。他家の養子に出た兄と、貧しい実家に残った義妹との恋。身分社会に生きる若者が「個人」の思いを貫こうとする苦脳と決意を描いた『雪明り』。


■『驟り雨』『朝焼け』 朗読:柳家小三治
 (CD2枚組/収録時間:約100分)
妻子をなくした不幸から盗っ人となった男と、主人に捨てられた母娘がめぐり会う…。自伝的要素を持ち、藤沢文学における「癒しと再生」の誕生を告げる『驟(はし)り雨』。者金から人を殺して江戸を去る男と、彼を思いつづけた一人の女。二人に訪れる別れと一筋の希望。一語の無駄もない物語構成で完成された傑作、『朝焼け』。


■『赤い夕日』 朗読:奈良岡朋子
 (CD1枚/収録時間:約58分/監修・解説 山田洋次)
やくざ者斧次郎の情婦だった女、おもん。過去を断ち切り嫁ぐも、危篤の知らせに永代橋を渡ってしまう。男女の心理のひだを精緻な筆致で描いた傑作短編。


■『神隠し』 朗読:辻萬長
 (CD1枚/収録時間:約60分/監修・解説 山田洋次)
岡っ引の巳之助が商家の妻女の失踪と殺人事件のからくりを追う。ハードボイルドタッチの傑作短編。


■『静かな木』 朗読:柳家小さん
 (CD1枚/収録時間:約73分/監修・解説 山田洋次)
老いた欅の大木に姿を重ねる孫左衛門。静寂の日々はある「事件」によって破られた…。「海坂藩もの」の集大成、藤沢周平最晩年の傑作短編。


■『たそがれ清兵衛』 朗読:柳家花緑
 (CD1枚/収録時間:約79分/監修・解説 山田洋次)
病気の妻に代わり家事に勤しむ「たそがれ清兵衛」。剣客としてならした過去を持つ清兵衛に、討手の命が下った。映画『たそがれ清兵衛』の表題となった藤沢短編の代表作。


■『逃走』 朗読:笹野高史
 (CD1枚/収録時間:約65分/監修・解説 山田洋次)
銀助の裏稼業、それは泥棒。正体が露見しそうになるも、赤ん坊を拾った銀助は妙案を思いつく…。藤沢作品には珍し、ユーモラスな一編。


■『泣く母』 朗読:中村梅雀
 (CD1枚/収録時間:約63分/監修・解説 山田洋次)
異母兄弟・八之丞の身代わりとなって野試合に打って立つ小四郎。亡き母への断ち難い思いを胸に試合に臨むのだが…。少年の、母への憧憬をみずみずしい筆致で描く、甘美な傑作短編。


■『虹の空』 朗読:樫山文枝
 (CD1枚/収録時間:約56分)
小心者の政吉は、継母を引き取りたいが勝気な妻おかよは納得せず仲違い。そのうち継母の店が火事になり…。市井のひとびとの喜怒哀楽を人情味豊かに描く傑作。



■『祝い人助八』 朗読:すまけい
 (CD1枚/収録時間:約69分/監修・解説 山田洋次)
妻と死に別れ「祝い人(ほいと=乞食)」と呼ばれる助八。幼馴染の窮地を剣技で救ったことがきっかけに、藩随一の剣豪と死闘をくりひろげる…。映画『たそがれ清兵衛』のメインプロットとなった本作は、剣あり、恋あり、ユーモアありの、傑作娯楽短編。


■『約束』 朗読:倍賞千恵子
 (CD1枚/収録時間:約69分/監修・解説 山田洋次)
十六歳の幸助。十三歳のお蝶。萬年橋の約束は、五年後の再会。ようやく訪れた再会の日だったが…。感涙を禁じ得ない秀作短編。


■『夜の道』 朗読:竹下景子
 (CD1枚/収録時間:約60分/監修・解説 山田洋次)
母と生き別れたおすぎ。ある時思いだした二十年前の情景を伝えるため、暗い夜道を「母」の許へ駆ける…。子を思う親のこころを丹精に描いた佳作です。



■仕様/CD12枚組
■各巻解説書付
■発行/新潮社